特定建設業の制度
下請負人の保護のために設けられた制度で、元請が下請に出す下請契約金額(消費税込み)に制限を設け、特定建設業と一般建設業に分けられています。
一般建設業と特定建設業の両方の許可は受けられません
<特定建設業>
①4,500万円以上の下請契約金額
・建築工事一式は7,000万円以上
・複数の下請に出す場合はその合計額
<一般建設業>
①4,500万円未満の下請契約金額
・建設工事一式は7,000万円未満
・工事の全てを自社(自分)で施工
いくつか注意点があります。
※事前に契約書面等により発注者(施主)の承認を得た場合以外は、工事の全部を下請に出すことはできません(建設業法第22条下記参照)
※公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(平成12年法律第127号下記参照)では、公共工事における一括下請が禁止されています。
二次以降の下請にも同様に一括下請を禁止されています。
※当初の下請契約金額が契約変更後に4,500万円(建築一式工事は7,000万円)を超えてしまう場合は、変更契約が締結される前に特定建設業の許可へ切り替えなければなりません
特定建設業
特定建設業の許可を受けるにはいくつか条件があります。
専任技術者の要件
特定建設業の許可を受ける場合、専任技術者は所定の国家資格か「指導監督的な実務経験」を有する必要があります。
「指導監督的な実務経験」とは、建設工事の設計又は施工の全般について、元請として工事現場主任又は工事現場監督のような立場で工事の技術面を総合的に指導した経験のことをいいます。
※ただし「指定建設業(土・建・電・管・鋼・舗・園)については、施工技術の総合性等が考慮されることから、指導監督的な実務経験のみにより技術者要件を証明した専任技術者では特定建設業の許可を受けることはできません。一級の国家資格・技術士資格・大臣認定が必要になります。
財産的基礎の要件
申告直前の確定した貸借対照表(定時株主総会の承認を得たもの)において下記①~④をすべて満たしている必要があります。
①欠損の額が資本金の額の20%を超えていないこと。
法人 {繰越利益剰余金の負の額-(資本剰余金+利益準備金+その他利益剰余金(繰越
利益剰余金を除く))}÷資本金×100≦20%
個人 {事業主損失-(事業主借勘定-事業主貸勘定+利益留保性の引当金+準備金)}÷期首
資本×100≦20%
②流動比率が75%以上であること
法人、個人 (流動資産合計÷流動負債合計)×100≧75%
③資本金の額が2,000万円以上であること
法人 資本金≧2,000万円
個人 期首資本金≧2,000万円
④自己資本の額が4,000万円以上あること
法人 純資産合計≧4,000万円
個人(期首資本金+事業主借勘定+事業主利益)-事業主貸勘定+利益留保性の引当金
+準備金≧4,000万円
個人の場合は、決算期が未到来の場合のみ、4,000万円以上の預金残高証明書又は融資
証明書(証明日の「〇月〇日現在」後1カ月以内のものが有効)を提出してください。
このように特定建設業の許可を受けるには、細かい要件がそろわないと許可がうけることはできません。
こうご行政書士事務所では建設業の許可申請手続きを承っております。
不明点等がございましたら何時でもお問い合わせください。
建設業法
(一括下請負の禁止)
第二十二条 建設業者は、その請け負つた建設工事を、いかなる方法をもつてするかを問わず、一括して他人に請け負わせてはならない。
2 建設業を営む者は、建設業者から当該建設業者の請け負つた建設工事を一括して請け負つてはならない。
3 前二項の建設工事が多数の者が利用する施設又は工作物に関する重要な建設工事で政令で定めるもの以外の建設工事である場合において、当該建設工事の元請負人があらかじめ発注者の書面による承諾を得たときは、これらの規定は、適用しない。
4 発注者は、前項の規定による書面による承諾に代えて、政令で定めるところにより、同項の元請負人の承諾を得て、電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて国土交通省令で定めるものにより、同項の承諾をする旨の通知をすることができる。この場合において、当該発注者は、当該書面による承諾をしたものとみなす。
平成十二年法律第百二十七号
公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律
第五章 施工体制の適正化
(一括下請負の禁止)
第十四条 公共工事については、建設業法第二十二条第三項の規定は、適用しない。
建設業の許可区分 一般建設業と特定建設業の違い
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